COLUMN

RAGDOLL コラム

2026.09.16

なぜ猫ちゃんはたくさん眠るのですか?

我が家の猫ちゃん達も気づくといつも寝ています(笑)。余り寝すぎていると体調が悪いのかと心配になってしまいますが、猫ちゃんがたくさん眠るのは、もともとの体のつくりや生活スタイルと深く関係しています。猫ちゃんは人と一緒に暮らしていても、本来は狩りをして生きる動物です。野生で暮らす猫ちゃんは、小さな獲物を見つけたときに、短時間で一気に走ったり、跳びかかったりして捕まえる必要があります。このような動きには大きなエネルギーを使います。そのため、普段はできるだけ体力を温存し、必要なときにすばやく動けるよう、長い時間休んでいると言われています。

また、猫ちゃんの睡眠は人の睡眠とは少し異なります。長い時間眠っているように見えても、その多くは浅い眠りです。浅い眠りの間は、周囲の音や気配にすぐ反応できる状態にあります。眠っている猫ちゃんの耳がピクピク動いたり、物音がするとすぐに目を開けたりするのは、完全に深く眠っているわけではないためです。これは、外敵から身を守る必要があった時代の名残ともいえます。一方で、安心できる環境では深い眠りに入ることもあります。体を横にして手足を伸ばして眠っていたり、お腹を見せて眠っていたりする場合は、かなり安心している状態と考えられます。飼い主さんのそばでぐっすり眠っている姿は、そのお家を安全な場所だと感じているサインでもあります。

子猫ちゃんの睡眠には、体を回復させる以外にも多くの役割があります。体や脳が大きく発達する時期なので、成猫ちゃんよりも長い睡眠時間が必要です。また、高齢の猫ちゃんも若いころより活動量が減り、体力の回復に時間がかかるため、眠る時間が長くなる傾向があります。一般的に、健康な成猫ちゃんは1日に12〜16時間ほど眠ることが多いとされています。子猫ちゃんや高齢の猫ちゃんでは、18〜20時間近く眠ることも珍しくありません。そのため、よく眠ること自体は、必ずしも病気のサインではありません。ただし、普段と比べて急に眠る時間が極端に増えた、食欲が落ちた、遊ばなくなった、隠れて出てこない、呼吸が荒い、毛づくろいをしなくなった、トイレの様子が変わったなどの変化がある場合は注意が必要です。猫ちゃんは体調不良を隠しやすい動物なので、「いつもと違う」と感じたときは早めに動物病院へ相談することをおすすめします。安心して眠れているということは、猫ちゃんがその環境で落ち着いて過ごせている証拠でもあります。飼い主さんは、静かで安全に休める場所を用意し、普段の睡眠の様子をよく観察してあげることが大切です

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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