COLUMN

RAGDOLL コラム

2026.08.21

シニアになった猫ちゃんへのご飯の切替はどうやったらいいですか?

猫ちゃんも高齢化時代が到来し、20歳まで長生きする猫ちゃんも珍しくなくなりました。人間と同じように、猫ちゃんも年齢が進むにしたがって体に合ったご飯に変えていく事が求められます。一方で、猫ちゃんは好き嫌いが激しく、ご飯を変える事で食事量が減ってしまう、体への負担が増えてしまう危険性があります。いきなり決め打ちするのではなく、色々な候補を少しずつ試しながら最適解を探すことが大事です。

最初は、今のフードに新しいシニア用フードを少しずつ混ぜる、おやつとしてシニアのフードを取り入れてあげる等がよいでしょう。最初の数日は新フードを2~3割程度にとどめ、その後半々、さらに7割程度と段階的に割合を増やし、最終的に完全に切り替えていくとうまくいくケースがあります。途中で便が緩くなる、食いつきが悪くなった場合は、無理に進めず一段階戻す、別のフードを試す等、無理をしない事が大事です。

また、シニア期の猫ちゃんは加齢により代謝や消化機能が低下しやすくなります。そのため、シニア用フードは一般的に消化しやすく、カロリーやミネラル(特にリンやナトリウム)が調整されており、腎臓への負担軽減にも配慮されています。ただし、すべての猫ちゃんに同じフードが適しているわけではなく、体重や活動量、持病の有無によって最適な内容は変わります。猫ちゃんによってケアしなければならない疾患も違うので、ご自宅の猫ちゃんに求められる効能に基づいた選択をしてあげるとよいかもしれません。

さらに、年齢とともに嗅覚や食欲が落ちることもあるため、食べやすさの工夫も重要です。ドライフードをぬるま湯でふやかしたり、少し温めて香りを立たせたり、ウェットフードを混ぜることで食いつきが改善する場合があります。歯の状態が悪い猫には、柔らかい食事に切り替えることも有効です(一方で、歯を使う事で脳が活性化するので、バランスが大事です!)。

総合的に見ると、シニア猫ちゃんの食事切り替えは「ゆっくり慣らすこと」「個体差に合わせること」「食べやすさを工夫すること」がポイントです。特に腎臓病などの疾患が疑われる場合は、市販のシニアフードではなく療法食が必要になることもあるため、事前に獣医師へ相談するのが安全で確実です。

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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