COLUMN

RAGDOLL コラム

2024.01.12

ペットのオーラルケア商品④

皆様こんにちは、麻布大学獣医学部 薬理学研究室の福山です。さて、今回はオーラルケア商品の4回目です。今回はデンタルガムの特徴についてお話したいと思います。

前回は飲み水やフードに混ざっているタイプのオーラルケア商品についてご紹介しました。効果は歯磨きや歯磨きジェルと比べると限定的ではあるものの、「飲水」や「食事」といった生活に欠かせない行為に紐付いているケアはワンちゃんや猫ちゃんだけでなく、飼い主さんにとっての負担も軽減できて良いですね。同じように、手軽にできるオーラルケアとしてデンタルガムを使用されている方も多いかと思います。我々もデンタルガムの有効性研究をする中で、デンタルガムにはよる歯垢の付着抑制や口臭の抑制が見られています。また、ガムはワンちゃんや猫ちゃんに「噛む」という行為を自発的に行わせる効果があります。噛むことにより、歯や歯肉の血流を活性化する事で、口腔内の健康を維持するだけでなく、唾液の分泌を促します。唾液中には歯周病菌に対する抗菌酵素が含まれていますので、特に唾液の分泌量が少ない小型のワンちゃんや猫ちゃんにはとても効果的です。加えて、脳を活性化することによって、高齢のワンちゃんや猫ちゃんにも増えている神経疾患の予防にも繋がります。現在では様々な栄養物が含有されたガムが販売されていますので、ご自宅のワンちゃんや猫ちゃんにあったデンタルガムを探して見られると良いと思います。

一方、デンタルガムを使用するにあたっての注意点もあります。特にワンちゃんで多く見られるのは、噛まずに丸呑みしてしまって、場合によって消化管を傷つけてしまう可能性もあります。中型〜大型のワンちゃんに小さすぎるガムをあげてしまうと、噛まずに飲んでしまう事が多いです。ご自宅のワンちゃんのサイズや噛む力に合わせたデンタルガムの形状や大きさを選んであげることが大事です。また、最初の数秒間だけでもガムを手に持って、ワンちゃんに噛ませる事も大事です。丸呑みしても大丈夫な位小さくなったら、そのまま上げても問題ないでしょう。また、ガムの硬さも注意点です。鹿の角等の硬いデンタルガム商品も増えていますが、前述の通り丸呑みしてしまうと消化ができない、硬すぎて歯がかけてしまったというケースもあります。噛む力は犬種や大きさによって大きく異なりますので、ご自宅のワンちゃん、猫ちゃんが安全に使用できるようなガムを選んであげることが大事です。

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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