COLUMN

RAGDOLL コラム

2023.12.13

ペットのオーラルケア商品③

皆様こんにちは、麻布大学獣医学部 薬理学研究室の福山です。さて、今回はオーラルケア商品の3回目です。今回はお水に混ぜるタイプとペットフード型のデンタルケア商品の特徴についてお話したいと思います。

前回は歯磨きおよび歯磨きジェルといった直接お口にアプローチする商品についてご紹介しました。上記は直接アプローチする事で、高い効果が期待できるものの、ワンちゃんによっては適用が難しく、飼い主さんにとってもちょっと面倒くさい商品になります。じゃあ、もっと手軽に、、、という事で、スプレータイプやお水に混ぜるタイプのオーラルケア商品はネットやお店で皆さんもよく見かけるのではないでしょうか?最大のメリットは、とにかく気軽に使える点です。

スプレータイプはお口にかけるというものの、ジェルほど面倒ではなく、持ち運びができ、気になった時にいつでも使えるというのがメリットです。お水に混ぜるタイプも同様に、ワンちゃん、猫ちゃんにとって生活上不可欠な「飲水」と紐づいているので、飼い主さんの手を煩わせずオーラルケアができるのが大きなメリットです。お散歩中のお水にも適用できるので、いつでもどこでもケアできるのはうれしいですよね!また、人間と同様にドライマウスはワンちゃんでも口臭や口腔疾患の原因になり得ます。スプレーや飲水タイプの商品を使う事で、飼い主さんが飲水について意識できるようになるのは重要です。

一方、弱点は効能が限定的という所です。歯垢の付着を防ぐ、除去をするには機械的な作用は必須です。スプレーもお水も機械的な作用は一切ありませんので、歯垢を落とすような作用はほぼないと考えてよいでしょう。また、口腔内の歯周病菌に作用させるには、その物質が一定時間お口の中に滞留してくれる必要があります。人間用のマウスウォッシュは人間が意識的にうがいをする、お口にためる事ができます。ワンちゃんの場合はそれができないため、お口に滞留する時間はかなり少なくなってしまいます。効果が少ない分、それなりの量を適用する必要があります。

口臭ケアのフードなども最近よく見かけるようになりました。お水と同じように生存に必要不可欠な「食事」と紐づいているので、ワンちゃんや飼い主さんの負担が少なく使えるのがメリットです。また、お水と比べると口腔内に咀嚼等で口腔内に滞留する時間が多く、効果はお水タイプと比較して高い傾向があります。一方、フードを変えるのはワンちゃん、オーナーさんにとって大きなインパクトがあります。療法食を利用されているワンちゃんでは、口腔ケアのためにフードを変更する事は難しいでしょうか、おやつや補助食タイプの商品は汎用性が高いかもしれません。

次回は、デンタルガムやおもちゃタイプのオーラルケア商品の特徴についてお話したいと思います。

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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