COLUMN

RAGDOLL コラム

2023.10.12

ペットのオーラルケア商品 – ①歯磨き粉

皆様こんにちは、麻布大学獣医学部 薬理学研究室の福山です。前回はお家でできるデンタルケアの中でも歯ブラシについてお話をさせていただきました。今回から数回に渡って歯ブラシ以外のオーラルケア商品についてご説明していきたいと思います。

人間のオーラルケア商品となると皆さんどんなものを思い浮かべられるでしょうか?利用頻度の高いものとしては、歯磨き粉、マウスウォッシュ、ガムなどが挙げられます。犬や猫も基本的には同じです。しかし、自分の意志でオーラルケアをする人間と違って、ワンちゃんやネコちゃんは自発的にケアをするわけではありません。同じような商品を使用していても犬や猫のオーラルケアと人間のオーラルケアでは作用や注意点が異なります。今回は犬や猫用のオーラルケアの種類とそれぞれの特徴、注意点等をお話させていただきます。

まず、皆さんが毎日利用される歯磨き粉についてです。歯磨き粉には大きく分けて、①歯垢除去(フッ素などによる付着の予防)、口臭除去や予防、炎症の治療という3種類の役割があります。犬や猫用の歯磨き粉も求められるべき作用は同じです。しかし、人間の歯磨きとワンちゃん、ネコちゃんの歯磨きで決定的に違う部分は、最後にうがいをして歯磨き粉を洗い流せるか、そうでないかです。最後に自発的にうがいをして歯磨き粉を洗い流せる人間の場合、「飲まない」事を前提に少し強めの化学物質や研磨剤が含まれていることが多いです。一方、ワンちゃんやネコちゃんはうがいができません。ワンちゃんやネコちゃんの歯磨き粉は最後に「飲んで」しまう事を前提により安全性に配慮した商品を選択する必要があります。お医者さん、獣医さん、薬局で薬剤師の処方を受けて購入ができるいわゆるお薬は作用も強い半面、その販売や登録に際しては厳しい条件が定められています。一方、スーパーやペットショップで購入できるサプリメントやペットフードなどの商品には医薬品と同じような効能や安全性に対する基準はありません。よって、その効能や安全性の担保はメーカーさんの努力に委ねられているのが現状です。近年では、メーカーさんの意識が向上し、特に大手のペットショップや獣医さんで取り扱われているような商品の場合、効能や安全性を科学的に担保されているケースが増えて来ています。しかし、そうでない商品も多く、インターネット販売が拡大している状況下で「効能」と「安全性」を両立できるような商品を飼い主さん自身が選択する必要に迫られています。

歯磨き粉を選択する際にはできるだけメーカーさんの安全性や効能の情報を調べると良いでしょう。その上で、最終的に食べることを前提として、化学物質や研磨剤をできるだけ含まない、ワンちゃんやネコちゃんに該当するようなアレルゲン物質を含まない商品を選択する事が大事です。自分ではよくわからないという場合には是非かかりつけの獣医さんに相談してみてください。

さて、今回は歯磨き粉の選び方とその注意点について説明させていただきました。次回は、歯磨き粉を含めてデンタルケア商品それぞれの特徴についてお話したいと思います。

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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