COLUMN

RAGDOLL コラム

2023.08.31

ジビエペットフードってどうなの?

皆様こんにちは。最近ジビエを活用したペットフードが増えていますね。ご家庭のワンちゃん、猫ちゃんに既に試されている方も多いのではないでしょうか?天然のものを無添加で使用しているものが多く、安心だというご意見と同時に、本当に我が家のワンちゃん、猫ちゃんにとって良いものなのか、普通のペットフードとどちらが良いのだろうという迷われている方もいらっしゃると思います。今日はジビエを活用したペットフードについて、その特徴と気を付けなければならない点についてお話したいと思います。皆さんのペットフード選びの参考にしていただければ嬉しいです!

ジビエは、天然の野生鳥獣の食肉を意味するフランス語で、イノシシやシカが代表としてよく知られていると思います。日本では、イノシシやシカによる農業や林業に及ぼす被害が年々増加しており、鳥獣被害防止特措法によって捕獲や狩猟が決められた地域で認められています。捕獲したイノシシ肉やシカ肉の有効活用法として、ジビエを利用したペットフードが各地で着目されているわけです。つまり、ジビエといっても「獣肉」という点では牛肉や豚肉と変わりはありません。では、ジビエフードは普通の牛肉や豚肉となにが違うのでしょう?一番の違いは油の量と質といわれています。食用の牛肉や豚肉には適度な脂が含まれていて、これが美味しいと同時に摂取しすぎると肥満や肝臓への負荷に繋がります。ジビエは脂肪が少なく、赤肉が多いため、生活習慣病のリスクが少なく、筋肉や臓器を作るのに必要なタンパク質が多く入っています。

また、ドコサヘキサエン酸(DHA)やα・リノレン酸と呼ばれる炎症を抑えるオメガ3脂肪酸は、魚油で多く、牛脂や豚脂では割合が少ないといわれています(魚油配合のペットフードが多いのはそのような理由です)。鹿肉や猪肉は獣肉にも関わらずオメガ3脂肪酸の含有量が比較的多く、炎症性疾患の予防効果があるといわれています。また、ジビエの骨や角がおやつとして活用されているケースも多くあります。人工のおやつと比べるとリン、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富で、デンタルケアの目的で活用されている場合も多く見受けられます。ジビエと聞くと、獣臭い、固そうというイメージがあるかもしれませんが、加工技術も進歩しており、どの商品もワンちゃんや猫ちゃんに食べやすい形に加工されています。

一方で、他のフードと同様に注意点もあります。ワンちゃん、ネコちゃんのアレルギーなどの既往疾患によっては、ジビエフードが合わない、ワンちゃんや猫ちゃんの病気を悪化させてしまう可能性があります。フードを変える場合は、かかりつけの獣医さんと相談しながら試すのが良いでしょう。また、骨や角のおやつは、思っているより硬いです。小型のワンちゃんの顎や歯では負けてしまう事も多く、鹿角や骨で歯がかけてしまったという事例をよく聞きます。人工のおもちゃやデンタルガムはワンちゃんのサイズに合わせて硬さを調整する事で、安全性への配慮がされています。ご家庭のワンちゃんや猫ちゃんの状態、体格、特徴に合わせてどのような形でジビエを活用できるか、ジビエフードを使ってみたい!という場合は、是非かかりつけの獣医さんと相談して決められるとよいと思います。

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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