皆様こんにちは,麻布大学獣医学部 薬理学研究室の福山です。
すっかり寒くなって我が家の猫達も布団に張り付いています。猫は季節ごとに毛の密度を変えることで 体温調節をしており,我が家の猫ちゃん達は現在冬毛の真っただ中。
この冬毛が春から初夏にかけてごっそりと抜け落ちます。
猫の寝ていた布団に猫の寝ている形のまま毛が残されていたなんて事もしょっちゅうです。
猫はきれい好きなので丹念にグルーミングをすることで,毛を整えています。
お腹に入ってしまう毛は吐き戻しているのですが,抜け毛が多い時期には毛球症になってしまう危険性があります。
スキンシップの一環としてブラッシングはこまめにしてあげると良いですね。
さて,今回は猫のトイレタリー事情についてです。
現在,日本では90%近くの家猫は完全屋内飼育と言われています。
猫ちゃんはワンちゃんと違って,お散歩中に、、、と言う事はないでしょうから,屋内に何かしらの形で「おトイレ」を設置されていると思います。
猫のトイレと言えば,猫砂,皆さんのご自宅ではどのような猫砂を使用されていますでしょうか?
最近では,色々な種類の猫砂が売られていて,「どれがいいのだろう?」と迷ってしまいますね。
昔から使われているのは,一般的な砂タイプのものです。
主成分はベントナイトと言われる鉱物で,水を吸収すると元の体積の何倍にも膨らむ特徴を持っています。近年の研究では,ニオイ成分、細菌、細菌から出される毒素と結合して,防臭効果や抗病原性効果を持っているとも言われています。
意外かもしれませんが,日本薬局方や食品衛生法にも登録されており,食品添加物等にも利用されています。様々な効能から今後利用の幅が広がるかもしれません。
我が家の猫ちゃんもベントナイト猫砂を使用しており,好評なのですが,肉球に砂がついたり,外に砂が飛び散ったりで掃除は大変です、、、
その点,おから,木製,紙製の大きなペレットタイプのものは粒が大きくて,掃除は圧倒的に楽!材質によって吸収力はまちまちですが,人間用のトイレに流せるものもあり,飼い主フレンドリーなものが多く販売されています。
我が家の猫ちゃん達にも試してみたのですが,砂の方がお気に入りでトイレを変えた途端しなくなってしまいました、、、
掃除のしやすさ,捨てやすさなど,飼い主目線はもちろん重要なのですが,猫ちゃんが気持ちよく用を足せるかが一番です。
トイレを決める際はいくつかを並べてみて猫ちゃんの好みを聞いてあげるとよいと思います。
せっかく今回現在のトイレタリーについてお話しさせていただきましたので,次はトイレタリーの歴史について少しひも解いていきたいと思います。
コラムの執筆者
所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室
福山 朋季先生
東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。