飼いネコちゃんとコミュニケーションが取れているのか?大事な猫ちゃんは飼い主をきちんと理解してくれているのか?これは永遠の課題で、実際の所猫ちゃんに聞いてみないとわかりません。ただ、猫ちゃんを含む哺乳動物は「学習」と「記憶」をする事が研究で分かっていますので、猫ちゃんが飼い主さんを含めた特定の人間を認識しているのは間違いないです。その際に猫ちゃんが認識に使っているのはやはり五感で、視覚、嗅覚、聴覚を主に頼りにしているというのも間違いないでしょう。猫ちゃんが飼い主の声と他人の声を聞き分けられること、飼い主のにおいや生活環境のにおいを記憶して区別している事、飼い主の動き方や生活リズムを記憶して帰宅時間や食事の時間などを覚えている事は研究でも、皆さんの生活の中でもおわかりになるかと思います。逆に嫌いな人や物、見知らぬ人や物が近づいた時に如実に猫ちゃんが警戒を見せる事からも、少なくとも猫ちゃんが自分の生活スタイルの中にいる人や物をきちんと理解している事がわかります。
その上で、猫ちゃんが名前や飼い主さんを明確に認識しているかどうかはわかりません。聞きなれた名前やお気に入りの餌の名前は音として認識しているように思います。我が家の猫ちゃんも某猫ちゃんおやつの名前を覚えてしまっています。猫ちゃんの名前で呼びかけるとこちらを振り向く(気がする?)ので、猫ちゃんが名前を覚えてくれていると信じたいですね。

コラムの執筆者
所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室
福山 朋季先生
東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。