COLUMN

RAGDOLL コラム

2021.10.20

猫のおしっこに関するお話 腎臓の働きと腎臓病によって引き起こされる症状

皆様こんにちは,麻布大学獣医学部 薬理学研究室の福山です。ここではワンちゃんや猫ちゃんの生活や病気に関わる「?」を皆様と勉強していきます。
猫ちゃんのおしっこをテーマに第一回は,猫の腎臓病について概説させていただきました。
今回はもう少し掘り下げて,腎臓の働きと腎臓病によって引き起こされる症状についてご説明します。
腎臓病を悪化させる要因を理解するためには,腎臓って何をする臓器なの?という事を理解しておかなければなりません。
腎臓には大きく分けて5種類の機能があります。

1つ目は,皆さんご存知の通り尿(おしっこ)の作成です。 肝臓で作られる尿素等が血液を介して集まり, そのほかの老廃物や水分と共に尿(おしっこ)を作ります。腎臓病になるとおしっこが適切に作れなくなり, 老廃物や毒素が体内にたまってしまい,「尿毒症」を引き起こします。
2つ目は,体のバランス調節です。おしっこが作成・排出される過程で,ナトリウム,カリウム,カルシウム等のイオンのうち, その時の体のバランスを考えて必要なものは腎臓で再度吸収され, 不要なものは尿中へ排泄します。また,水分バランスも調節しており, スポーツなどで汗をたくさんかいた時は濃い尿を少量,普段は薄い尿を大量に作ります。 腎臓病になると,多飲多尿やむくみが引き起こされます。
3つ目は血圧の調節です。腎臓からはレニンという物質が放出され,血液中でアンジオテンシンⅡという物質に変化します。
このアンジオテンシンⅡという物質により血圧が調節されるため,腎臓病になると高血圧になる傾向があります。
4つ目は,赤血球産生の促進です。腎臓から分泌されるエリスロポエチンというホルモンによって骨髄の赤血球製造が促されています。
そのため,貧血は腎臓病の代表的な症状の一つです。
最後にビタミンDの活性化作用です。腎臓で活性化されたビタミンDはカルシウム吸収を促進します。
つまり,腎臓が悪くなるとカルシウム低下による骨粗しょう症や骨軟化症などが引き起こされます。 と,いったように腎臓には様々な機能が備わっており, 腎臓の機能が失われると単純におしっこが作られなくなる (それだけでも大変なことですが、、、)だけでなく体の色々な調節が効かなくなります。
腎臓の機能は一度失われてしまうと回復できないため,腎臓の機能をいかに正常に維持してあげられるかが,猫ちゃんの健康寿命を延ばす大事なポイントになります。

今回は少し専門的なお話が多くなってしまいましたが,腎臓が色々な機能を持たれている事を理解い ただけたかと思います。
次回は猫ちゃんの腎臓病を悪化させるような要因についてお話ししたいと思います。

コラムの執筆者

所属研究室:麻布大学 獣医学部 獣医学科 薬理学研究室

福山 朋季先生

東京農工大学農学部獣医学科を2004年に卒業後,一般企業および米国獣医系大学(ノースカロラ イナ州立大学)で医薬品,化粧品,農薬,一般化学物質および動物用医薬品の安全性や薬効確認の 研究に従事し,2018年10月に麻布大学に赴任させていただきました。
現職では,①環境中物質が免疫機能に及ぼす影響評価,②ヒトや伴侶動物(ワンちゃんやネコちゃん )のアレルギー病態解明および対策商品の開発,③ワンちゃんやネコちゃんの歯周病機序解明および 新しいケア商品の開発,を関連する企業様と協力して実施させていただいております。

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